ホームセンターでシシトウの苗を購入して水耕栽培に挑戦しました。
2019,2020年と2年連続で栽培しました。
自作のカンタンな水耕栽培容器を使っていますが問題なくそだちます。
丈夫で、そだてやすく、苗の価格も1株、100円くらいです。
なので水耕栽培をするやさいとしておすすめです。
ただ1点を除いては。
それは当たり(辛いもの)がたまにあること。
シシトウのおおすすめポイントと、水耕栽培の方法や注意点をくわしく解説します。
シシトウのおすすめポイントとおすすめしにくいポイント
シシトウは、水耕栽培するのも適しているとおもいます。
以下がオススメのポイントです。
苗が入手しやすく、値段も安い
4月半ばくらいから園芸店やホームセンターの園芸コーナーで野菜苗が売られ始めます。
シシトウ苗が置いていないお店はまず無いといえるくらい定番のやさいの1つではないでしょうか?
価格も1株のポッド苗が100円前後で売られていて、お財布にやさしいのもうれしいです。
タネからそだてた方がもちろん安いですが、売られている苗の大きさまでそだてるのがかなりの手間なのです。
シシトウに並々ならぬ思い入れがあって、ちゃんとした苗を育てられるなら別ですが、その年にそだてるのが2から3株程度なら、苗を買った方が安いしラクだし確実です。
苗を買うときは、できるだけ良い苗をえらびましょう。
茎がしっかりしていて、葉色が良く、蕾がついているものがよいです。
虫がついていたり病気の兆候がないかもチェックします。
水耕栽培でも簡単にそだつ
わたしは、購入した苗を水耕栽培容器に移植して栽培をします。
ポッドから株をとりだして、根についた土を洗い流してから養液の入った容器にセットして水耕栽培をおこないます。
他のやさいは、苗を移植すると、環境になれるまで少し時間がかかります。
たいてい10日から2週間くらいは、成長がとまったようになります。
シシトウは、数日で成長をみてとれるようになるんです。
適応能力が高いのかもしれません。
また夏の暑さにもつよいです。
水耕栽培の場合、容器内の養液温度が上がることで溶存酸素量が下がって、根が酸欠状態になり根腐れを起こしやすくなります。
ですが、シシトウは暑くても元気にそだってくれました。
うちの栽培場所はベランダです。
真夏のコンクリート床からの照り返しで、茎や葉がしおれたりするのですが、たいてい、夕方には元気な状態に戻っています。
ミニトマトなどは、養液の濃度に敏感で、きちんと濃度の管理をしていないと調子をくずすことがあります。
その点シシトウは調子をくずしたことがありません。
養液濃度もだいたい適正なら大丈夫だとおもいます。
生育がはやく、収獲期間が長く、収獲量もけっこうある
先にのべたように、シシトウの苗は水耕栽培に移行してもすぐに成長をはじめてくれます。
2020年の場合、蕾がついた苗を購入して1ヶ月くらい(6月上旬)には最初の収穫ができました。
そこから10月いっぱいまで収穫ができます。
2020年の栽培では、最後の収穫は11月の22日でした。
半年間も収穫できるんです。
ただ、うちでは8月の後半から実が大きくなる前に赤くなるものが一時ふえました。
たぶん秋をいち早くかんじているのか、それとも株自体が疲れてきたのかのどちらかだと思います。
そして同じころ実に小さな穴が開いたものが見られるようになりました。
オオタバコガの幼虫のしわざです。
これらが原因で一時収穫量がへりましたが、そのあと復活して収穫がつづきました。
数を記録するのは面倒だし、私の中では収穫量をあまり気にしていないので、はっきり数えていません。
ですが、1シーズン1株あたり30個、3株でかるく100個以上は採れました。
管理の仕方次第では、もっと収穫量をふやせそうな気がします。
辛いものが混じるのが最大のマイナス点
シシトウは唐辛子の仲間なのはご存じの通り。
時折、辛いものがまじります。
理由はわかりません。
わたしは深型の水耕栽培容器1つに3株を植えて栽培しています。
たいてい10個前後を1回に収穫します。
それを食べると3割くらい辛いものが混じることもあれば、1つも混じらないときもあります。
本当にギャンブルです。
いつも恐る恐る口にしていました。
わたしは明らかに辛みに弱い人間です。
当たりを口にしてしまうとしばらく口の中がしびれて何もたべられなくなります。
あなたがもし辛い物好きか、辛い物に対して強い方なら気にならないかもしれません。
出来たシシトウの実に辛いものが混じるというのが、シシトウをおすすめできないポイントです。
とくに生育のよくないもの、曲がりが強いものが、当たり(辛い)が多い気がします。
シシトウの水耕栽培のしかた
おすすめのポイントでも述べた通り、購入した苗を水耕栽培容器に植え替えして水耕栽培をしています。
このとき参考にさせてもらったブログがあります。
ブログ「水耕栽培 100円グッズではじめてみました」です。
参考にさせてもらうというより、マネさせていただいたという方が適切です。
水耕栽培容器や養液の作り方は最初のころは全部マネして作っていました。
いまは自分なりのアレンジをしたり、アイデアを取り入れていますが。
ここからは2020年のシシトウ栽培の様子ををお伝えしながら、やり方のポイントになる部分も解説していきます。
シシトウの苗を購入します
シシトウの苗は、春の野菜苗の販売がされるころには、たいていのお店で売られている定番中の定番のやさいです。
できれば、入荷したばかりの数がたくさんある中から状態が良いものをえらびましょう。
茎がしっかりしているもの、葉色がよいもの、できれば蕾ができているものをえらんでください。
念のため、虫が卵を産み付けたりしていないか、また病気の兆候がないかもチェックしましょう。
上の画像の苗は2020年4月26日に、近くのホームセンターで購入しました。
1株98円だったとおもいます。
水耕栽培容器に定植します。
苗をポッドから抜いて、水をいれた容器の中で土を洗い流します。
流水を使えて泥水をそのまま流せる場所があるならば、流水のほうが根についた土をはやく洗い流すことができます。
根についた土をだいたい取り除けたら、固定用のスポンジで挟んで水耕栽培容器にセットします。
使用した水耕栽培容器は深型の水耕栽培容器で、ブログ「水耕栽培100円グッズではじめてみました」で紹介されているもの真似したものです。
養液はハイポニカを500倍にしたものを使います。
ハイポニカの指定希釈率が500倍です。
ただ夏場は蒸発によって濃度が濃くなることがある気がします。
なので、10日おきに養液を全部とりかえるとか、または、蒸発分を考えて500倍より少し薄めの養液を使うか、したほうが良いです。
わたしは後者の方、ハイポニカを規定の500倍ではなく700倍に希釈して与えていました。
じつは、いつも一緒にドワーフトマトをそだてているのです。
ドワーフトマトは液肥濃度にデリケートなので、薄めにつくって与えています。
希釈率の違う養液をそれぞれつくるのが面倒なので、うすい方の700倍希釈をシシトウや他のやさいにもつかっているというわけ。
丈夫なシシトウに関しては、いい加減で大丈夫。
いいかげんなわたしの性格にピッタリです。
あと容器内の養液の水位についてですが、生えている根の半分くらいまでを水位の上限にします。
こうすることで、養液に浸かっていない部分の根で呼吸してくれるのです。
生育中の作業
苗を水耕栽培している間の管理は,おおまかに分けると3つの作業があります。
- さきほど、苗の定植のところで先に言っちゃってますが、水耕栽培容器の中の養液(液肥)の管理が1つ目の作業になります。
養液濃度と水位の管理は、栽培を終えるまで行います。
とくに夏場は養液の減りがはやいです。
こまめにチェックして、養液切れや養液濃度が濃くなりすぎないように気をつけます。 - つぎは支柱の設置、脇芽かきや伸びすぎた枝葉の切り戻しです。
支柱は、苗を水耕栽培容器に移植したときに設置したほうがラクです。
茎や枝が傾かないように、ヒモで支柱と枝をゆるく固定します。
1番花より下から出る脇芽はとりのぞきます。
水耕栽培容器の底に近い脇芽は伸びても日陰になりがちですし、風通しもわるくなるからです。
1番花のところから2つに枝分かれさせていけば十分繁茂します。
真夏にはそれなりの収穫ができるとおもいます。
そのころに1度株を休ませる意味で、おおきく切り戻しを行うと秋にまたたくさん実を収穫できるそうです。
わたしは、切り戻しをせず栽培をつづけたのですが、実をたくさんつけた疲れからか、この時期の実はいびつなものが増え、いわゆる当たり(辛いもの)が多くなりました。
またオオタバコガの食害が発生したのもこの頃です。
かなり収量が下がりました。
なので8月の半ばころに切り戻しを行って秋の収穫を促すほうが良いかもしれません。 - 最後は、虫の被害を未然に防ぐ作業です。
とくに新芽のさきにアブラムシがつきやすく、対策をしておかないと成長がおおきく阻害されます。
わたしは予めアブラムシに効果のある薬剤を散布して予防しています。
今年は、ベニカエックスを使いました。
浸透性なので、葉に浸透し効果がつづきます。
薬剤を使いたくない方は防虫ネットをつかうことになるのでしょうが、6ミリのネットならアブラムシを防げるのかな?
6ミリで、光透過率90パーセントのものをみつけました。
今年(2021)、試してみようとおもいます。
収穫
収獲は早めの収穫を心掛けてください。次々に花が咲き実がなりますから、食べれる大きさになったらさっさと収穫します。
こうすると株の着果負荷が減らせるので、ストレスが原因のいびつ果(当たり)を減らすことにもつながります。
さいごに
2019年、2020年ともに3株のシシトウを深型水耕栽培容器でそだてました。
収獲は、10日に1度くらいで、1回の収穫量は数本から多くて10本ほどです。
わたしのお決まりのレシピは、フライパンに少量の油をいれてシシトウに焼きを入れた後、めんつゆと鰹節か炒り子をいれて出来上がりの、いわゆる焼き浸し。
一人分のささやかなおつまみ。
シシトウのシシトウらしい風味がだいすきです。
どこかに辛みの片鱗をかすかに感じる独特の風味。
ちょっとずつ頂けるこのくらいの収穫量がわたしには丁度よいです。
シシトウは水耕栽培でも冬を越せるか?
そんな2020年のシシトウ栽培は10月に終わらせました。
ですが実験というか試しに、茎と主枝を残して切り詰め、水耕栽培容器ごとベランダに放置しています。
シシトウは多年草で10度以上の環境なら冬越しできるそう。
もちろんベランダはそんな温暖な場所なわけでなく、今はもう完全に枯れたようにみえます。
春になったら芽吹いてくれないかなあ。よみがえる奇跡が起きてくれないかな。もし芽吹いてきたら、この越冬シシトウ株を栽培しようとおもいます。
シシトウは、安く苗を買えて、手間いらずでそだってくれて、収獲も長くたのしめる、水耕栽培初心者にピッタリのやさいです。
まだシシトウを水耕栽培したことがない方は、ぜひ次の春チャレンジしてみてください。
それでは また。
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