わたしは、以前、クレソンをプランターで栽培していました。
培養土の表面一杯にクレソンは繁茂して増えていきました。伸びた茎の途中から根が出てきて、新しい脇芽が出てのびていくのです。
また水がたっぷりあっても、根腐れなどはせず、どちらかというと水に浸かりっぱしで湿った土で、元気に育ちます。
水耕栽培にも向いていると思ったので、クレソンの増え方の特長に合わせた水耕栽培方法を試してみました。
詳しくおつたえします。
クレソンの特長にあわせた水耕栽培方法
培地にハイドロコーンを使用してみました。
今までの水耕栽培では、水耕栽培容器の栽培面に穴をあけ、そこにスポンジで苗をはさんで定植していました。
ですが、地下茎で増えたり、株自体が株別れして大きく育つタイプの植物には。小さな穴1か所でスポンジで固定する方法は向いていないとおもいます。
そこで、ハイドロコーンを培地のように容器内に入れてみました。その栽培容器を液肥が入った容器に重ねる方法をとりました。
ハイドロコーンとは、粘土を焼き上げて発泡させた発泡煉石です。ハイドロコーンは商品名で、他にもレカトン、ハイドロボールという商品も同じような製品です。
粒のサイズも、3種類くらいあり、わたしは中粒をチョイスしています。
また、水耕栽培で使う培地には、他にもロックウールやスポンジ、バーミキュライトなどがあります。ハイドロコーンが、粒が固く大きくて扱いやすく、安価で、何度も使えそうなので、今回の培地に使用しました。
わたしの中のイメージでは、通常の土による鉢やプランターの栽培と同じように、ハイドロコーン培地の中を、クレソンが自由に茎や根を伸ばせるようになるかなと思い、この方法を試すことにしました。
水耕栽培容器は今あるものを使いました。
ハイドロコーンを入れる容器は、いままでの水耕栽培に使用していたものを流用しました。
ただ、ハイドロコーンを入れる容器の網目の大きさが、ハイドロコーンが漏れ出す可能性がある大きさでした。なので100均で売っている鉢底ネットを容器とハイドロコーンの間に入れて漏れ出しを防いでいます。
ハイドロコーンを入れる上側の容器を、レモンハウスという100均ショップのアレンジボックス、下側の養液を受ける容器は、同じレモンハウスのストレージボックスを使っています。
要は、ハイドロコーンが漏れ出さない大きさのメッシュ構造の容器とそれを受けて液肥を溜められる容器を組み合わせればよいのです。
液肥は、ハイポニカやハイポネックス微粉を使用しました。また、下側の容器は遮光のため濃い色の容器を使用しました。
クレソンの水耕栽培で使用した養液は、ハイポニカやハイポネックス微粉を指定希釈で作り、それを2割ほどさらに薄めています。
できた養液に、活力液のフルボ酸アタックT1を数滴くわえています。
わたしのウチでは、ほかにも水耕栽培している野菜がいくつかあり、そのなかでもドワーフトマトは特に液肥濃度に敏感だとおもっています。
いろんな種類のやさいを水耕栽培しているので、1度にたくさんの養液を作る必要があります。しかしそれぞれに合わせた養液を作るのは面倒なので、敏感なドワーフトマトの希釈にあわせてものを、他のやさいにも使っているというわけ。
液肥指定の希釈のほうが良いかもしれませんが、いまのところ、普通にそだっているのでこの薄めの希釈率のままにしています。
水耕栽培を初めてからずーとハイポニカを使っていました。今年(2021年)からハイポネックス微粉も使っています。どちらを使ってもよいでしょう。あまり差は感じません。
ですが、使い勝手や、入っている成分割合などは、各人の好みが分かれるところです。
あと液肥を溜めている容器内に藻が発生するのをふせぐため、容器に、光を通しにくい濃い色の容器を使ったほうが良いです。濃い色の容器が無い時は、黒いビニール袋をかぶせれば遮光できます。
養液に光が届かなければ、藻が発生しません。容器内をきれいに保つことができます。
クレソンの水耕栽培のようす
2020年から、ハイドロコーンを培地にした水耕栽培をしています。今年(2021年)の9月から2度目の栽培をしています。
栽培の記録から、クレソンの水耕栽培のようすをおつたえします。
クレソンのタネはすごく小さいので、バーミキュライトを入れたプラカップに種まきしました。
クレソンのタネはとても小さいです。なので、ハイドロコーンに直接タネをまくと、コーンのすきまから下に下に落ちていってしまいそうです。
なので、これまでの他のやさいと同じく、バーミキュライトを入れたプラカップに種まきして育苗まで行いました。
本葉が出て、根もカップの底から出てくるくらい伸びてから、ハイドロコーンの培地にバーミキュライトごと一緒に移植しました。
2021年の種まきでは、それも面倒になってしまい(笑)、ハイドロコーンの上にバーミキュライトで隙間を埋めてから、直接タネをまきました。
そのやり方でも、ふつうに発芽し育てることができています。
どちらの方法でも構いませんが、移植の手間がないので、わたしは、今後も後者の直播きの方法をとることにします。
苗の成長は、あるところから一気に繁茂します。初収獲までは3ヵ月。
クレソンは、タネがとても小さいのはおつたえしましたが、そこから出る芽や苗も小さいです。本葉が展開しはじめても、最初のうちは茎も細く貧弱な感じです。とても収穫がいつごろになりそうか予想すらたちません。
毎日、見守るのも飽きてしまって、ついつい他のやさいに目がいってしまいます。なので、ほったらかしー。記録の写真も撮るのも疎かになってしまいます。
それでも、ある程度茎や葉っぱが展開してくると、それまでとは違うスピードで大きく育ってきます。たぶん根がかなり伸びてきて、ハイドロコーン培地からも飛び出してくるようになってくると、溜めてある液肥から養分を吸いやすくなるのかもしれません。
成長の早さが変わるのが、種まきから2ヶ月くらいでしょうか、その後の1ヵ月くらいで、どんどん成長していきました。
2020年、2021年ともに、タネまきから3か月ほどで初収獲ができました。
その後の収穫は、1ヵ月に1度くらいのペースで収穫しました。ただし、真冬は成長がゆっくりになります。
クレソン栽培で注意したい害虫とその対策
これまでに、クレソンを栽培していて食害にあった害虫は、カブラハバチ、コナガ、(ヨトウムシ)です。
おそらく、ひっそりと葉の裏などに卵を産み付けていくのでしょう。幼虫が生まれて葉を食べていきます。
食害に気が付いたときには、手遅れというか、複数の幼虫がうまれているので、見つけ出してすべての幼虫を捕殺するのは不可能かとおもいます。
なので結論からいえば、まずはできるだけ網目の細かい防虫ネットで水耕栽培容器ごと覆うのが良いです。1ミリ目のものが手に入りやすいですが、できればそれより細かいもの0.6ミリくらいのネットがおススメです。
これでも完璧に虫を防除できるかというと、悲しいですが、むずかしいんです。
ネットをかけて栽培していたときでも、幼虫に食われる被害はおきました。ネットをかけない時よりは、被害は大きくはないですが、シャットアウトできないんですよ。
私の場合、水耕容器をネットで覆って、裾を容器の底に折り込んでおいたのですが、厳密に言えば隙間はあります。また、養液の補充や収獲の際にはネットをはずして行うので、その間に成虫が忍び込んでしまうこともあるかもしれません。
彼ら(害虫くん)も生きるために必死なんですね。
最初のクレソン水耕栽培を終わらせなければならなかった理由は、水耕栽培容器の中のクレソンの葉や芽をほんの数日の間にほぼ食い荒らされてしまったからです。
その犯人は、おそらくヨトウムシだろうと思っているのですが、容器を全部ひっくり返してハイドロコーンの中も隅々まで探したのですが、葉を食べた超本人を見つけることはできませんでした。
今年(2021)の栽培時は、ネットで容器全体を覆いつつ、時折他の葉物野菜にも散布している殺虫スプレーをかけていました。
天然成分由来の収穫まで何度も散布できるスプレーです。その分効き目はマイルドで、本当に効いてんのかなと疑いたくなるときもありますけど。
2021年9月にはじめたクレソン水耕栽培は、ネットと殺虫スプレーのおかげ?でこれまでのところ害虫による食害は起きていません。
まとめ
2020年の7月にクレソンの水耕栽培を初めてスタートしました。1度目の栽培は、2021年6月に何者かの食害で撤収せざる負えませんでした。
2度目は、今年(2021年9月)からスタートし今(2021年12月)に至ります。
試験的にはじめた、ハイドロコーンを培地にした簡易な水耕栽培システムですが、わたし的には満足のいく栽培ができていると思います。
まだ先の2022年の話になりますが、このまま順調に成長していくと、容器の中一杯に根が伸びて根詰まり状態になることが予想されます。
最初にクレソンをプランター栽培した時の話ですが、根詰まり状態になってくると上の茎や葉っぱの成長が悪くなった記憶があります。
なので、春になって暖かくなる頃になったら、バッサリと根を切り詰めて新しい根が出るのをうながしてみようと考えています。
今度は、あっという間に食害されて撤収しなくてはならないように気をつけながらね。
あたまの中では、クレソンが元気に繁茂しています。
春になって暖かくなったら、クレソンの水耕栽培をしてみたらいかがでしょうか。
タネから育ててもいいですが、食材として売られているクレソンの茎の部分を残しておいて挿し木しても簡単に増やせますよ。
1番最初にプランターでクレソンを育てたときは、そうやって挿し木で育て始めました。タネまきから育てるよりは、早く収穫できると思います。
それでは また。
コメント