2019年の春夏でドワーフトマトプリティーベルの苗を購入しそだてました。
収穫した実からタネを採取してF2(雑種2代目)の栽培に挑戦してみました。
親株を育てたときと同じで、ベランダでの水耕栽培です。
まいた種はすべて発芽し、思っていたよりもカンタンに育てられそうな感じでしたが。
結果は花が咲き実を付けるまではたどり着けたのですが、収獲できず失敗に終わりました。
栽培の詳しい経過を解説します。
また、うまくいかなかった原因についても推測しました。
ドワーフトマトプリティーベルはF1品種(交配種)
ドワーフトマトプリティーベル
ドワーフの名が付いているとおり草丈が高くならない品種のミニトマトです。
栽培の環境にかなり左右されるようですが、草丈はおよそ20センチから50センチにおさまるコンパクトな品種です。
そのため場所の広さや容器の制限があるところでの鉢植え栽培や水耕栽培に向いています。
ベランダや陽の入る出窓などにバッチリですね。
コンパクトな草姿に鈴なりの赤い実がなります。
観賞用でも十分楽しめると思いますが、食べてもびっくり。
とっても味が良く、酸味と甘味とコクの三拍子そろった味なんです。
私は東京の練馬区にあるオザキフラワーパークさんで苗を購入しました。
まだどこの園芸店でも手に入るほど普及はしていないみたいです。
F1品種(交配種)と固定種
プリティーベルはテピアシードさんが生み出したオリジナルF1品種(交配種)です。
F1品種は違う系統のめしべとおしべを受粉させてできた種やそれを育てた株のこと。
交配させた一代目は形質や育ち方がそろいます。
広く行われている品種改良の方法です。
雑種強制という法則で強い株に育ちます。
固定種はタネを採取してまいたら次の代も同じものが育ちますがF1品種は違います。
F1品種のタネ(2代目)をまくと1代目には現れなかった元の親の性質をもった株もでてきます。
プリティーベルのタネを採種して育てても、親(プリティーベル)と同じものは育たないかもしれないんです。
わたしは考えました。
- まったく違うものしか生まれないのか?
- 1代目(F1)で、現れなかった親の形質はどんなものか?
- 2代目(F2)はうまく育つか?育たないのか?
- 実ができたなら、それはおいしいのか?おいしくないのか?
季節はこれから秋になり、ベランダ菜園も少し暇になるのだから、、、
ダメもとで二代目(F2)のタネをまいて試してみようと思ったのです。
どんな苗が育って、どんな実をつけるのか楽しみでした。
面白そうだからやってみよう。
そんなノリではじめてみました。
F2(雑種2代目)のトマトをそだてられる環境や条件。
温度と日光
F2(雑種二代目)のトマトを栽培するからといって特別な環境や条件は必要ないと思います。
発芽適温と生育適温の範囲に温度を保って栽培すればよいと思います。
冬季になって10℃を下回ると成長がとまり、5℃を切ると枯死します。
温度で気を付けるのはこの点です。
陽当たりに関しては、最低の限界ラインはどこでしょうか?私にもわかりません。(笑)
トマトはお日様が大好きなのは知っていますよね。
できるだけ長く、直接の陽射しがあたる場所が良いとおもいます。
今回は、親株(F1)とおなじくベランダでおこないました。
ウチのベランダは東向きです。
朝の7時から8時に陽が差し始めて11時くらいまで、3時間から4時間弱の日当たりとなります。
7月から10月ですから陽射しはめっちゃ強かったです。
とにかく、親株のプリティーベルがうまく育ったのですから、4時間弱の日照時間で問題はないとおもいます。
プリティーベルのタネを採取してそだててみました。
プリティーベルの実からタネを採取。
熟れたプリティーベルの実を2つに切って中にあるタネを取り出しました。
タネはゼリー物質に覆われているので、水洗いしながら目の細かいネットなどにこすりつけて、ゼリー物質を取り除きます。
大体とりのぞけたらティッシュなどで挟んで水分をふき取ります。
そして風通しの良い場所で乾燥させます。
わたしの場合は、水気をふき取ったタネを不織布でできたお茶パックに入れて扇風機の前につるして乾かしています。
保管は、密閉容器に乾燥材を一緒にいれて冷暗所におきます。
もちろんタネを採取してすぐに育てたいなら乾燥させずにそのまま種蒔きしても良いようです。
タネをまいたらすべて芽が出ました
2019年7月13日
プリティーベルから採取したタネを濡らしたティッシュに種蒔きしました。
トマトは嫌光性種子なのでアルミホイルで容器ごと遮光して。2日から5日ですべての種子が発根しました。
発芽率はとても良いようです。
いままでタネを採取したり購入して播いたことがないので何とも言えません。
もしかしたらトマトの発芽率は良いのが普通なのかもしれません。
発芽率は高い方がもちろんよいです。
でも、それより自分で採取したタネがうまく発芽してくれたこと、そして採取の方法が間違っていなかったのを確認できたのがとてもうれしかったです。
発根が確認できたらバーミキュライトに移します。
ピンセットでやさしくつまんで、出た根の先っちょを下に向けてバーミキュライトに、差し込んであげます。
本葉がでてきたので定植しました
7月28日
本葉が数枚出てきました。
バーミキュライトが入った容器の底面に根が張ってきたのを確認できたので水耕栽培容器に移植しました。
場所も容器も足りません。
育ちのよさそうな6株を選んで、3つの容器に2株づつ定植しました。
最初はハイポニカを1000倍に薄めた養液から始めました。
養液が減って補充するときに500倍希釈のハイポニカを入れて、少しづつ500倍希釈の養液に近づけていきます。
定植時の知っておいてほしいポイントがあります。
定植後10日から2週間くらいは、養液や水耕栽培に慣れる時期だとおもって注意深く見守ってあげてください。
詳しい話はべつの機会にしますが、10日から2週間くらいは変化がまったく見られないのふつうです。
しおれたりするなど調子が悪そうにならなければ、うまくいっています。
矮性種らしく背丈のわりに茎が太く ちんちくりんな草姿です
養液に慣れてくると目に見えて成長が早くなってきました。
どの株もとても元気に育っています。
背丈のわりに葉っぱが大きく茎も太いので、チビのくせになんとも逞しい感じがします。
本葉が7枚か、8枚か出てくると花芽が確認できました。
葉っぱや花房が何かおかしい
花芽が少しずつ大きくなってきました。
このころになると葉っぱの形や色の具合、花房の見た目に変化が出てきました。
株ごとにはっきり違いが出てきたのです。
そのうえ個性の差と思えない症状がでてきました。
どうも調子が悪そうなのです。
葉っぱがねじれたようになったり、葉色も濃すぎるような気がします。
花房も完全に伸びないままクチュクチュとかたまって花が咲きそうです。
失敗におわりました
なんとか普通レベルで育っていた1株も赤茶色の粉を吹いたようになってしまいました。
たぶんハダニ?はっきりと特定できませんが効果があると書いてある薬剤を散布してみました。
症状の広がるのが止まりません。
やっぱりダメか―!
せっかくついた実もガサガサした感じになっていきました。
葉っぱもすべて枯れてしまいました。
さいごに
残念ですが、あきらめることにしました。
二代目は病気に弱い面があるのかもしれません。高温で乾燥気味の夏の盛りの時期にはじめたのも良くなかったかもしれないです。
失敗は成功のもと。
もう一度チャレンジしてみようかな。
というか保険で追加で種まきしています。そちらの栽培のようすもまた別の記事で。
季節は秋になりつつあります。
でもドワーフトマトと水耕栽培の興味はまだまだ冷めそうにありません。
それでは また。
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