いままでペットボトルを使った水耕栽培容器、セリアのアレンジボックスとダストボックスを容器のパーツにした水耕栽培容器の作り方を紹介しました。
水耕栽培も続けていると自分のやり方や道具類に愛着が湧いてきたのかもしれません。
前回の再アレンジの浅型水耕栽培容器も、持っている容器類を生かしつつ、より良いものを作ろうとして生まれたものです。
ふと、もし自分がなにも水耕栽培の経験がない状態で水耕栽培容器をつくるとしたら、、、どうするだろう? と考えてみました。
そうしたら、アラ! わりと簡単に、容器代コスト110円の新しい浅型水耕栽培容器を作ることができました。
浅型水耕栽培容器(最新型)の作り方や使い方を紹介します。
いままでの浅型、深型水耕栽培容器。
はじめて当ブログにこられた方に、浅型水耕栽培容器の名称(呼び方)についてカンタンに解説します。
ざっくり言うと、見た目で浅い容器の水耕栽培容器と深い容器の水耕栽培容器を分けているだけ。
いつも参考にさせてもらっているブログ「水耕栽培100円グッズで始めてみました」の方がその名前を付けて容器の作り方を紹介されていて、私もマネして使ってます。
水耕栽培できる野菜には、レタスや小松菜のような葉物野菜と、シシトウやミニトマトやオクラとか背丈が高く実が成って重心が高くなるものがあります。
葉物野菜などは浅型容器が使いやすく、重心が高くなったり株が大きなって養液をたくさん必要とする野菜には深型容器が向いています。
大きく育つ野菜でも、最初小さい苗の時期は浅型水耕栽培容器をつかってそだてています。
水耕栽培容器に求めるもの
容器が密閉できること。そしてラクに開け閉めできること。
上部の苗を定植する栽培面と下部の養液をためる器の部分がぴったり合わさって隙間がないようにしたいです。
理由は、逆に隙間があるとコバエなどが入りやすく、中に入れた養液(液体肥料を混ぜた水)も自然蒸発しやすくなるから。
フタと容器がセットになった入れ物なら、何もしなくても条件クリアですね。
それと養液の補充や根の健康状態チェックなどがしやすいように容器のふたがカンタンに開け閉めできるほうが使いやすいと思います。
光が透けて入らない、もしくは遮光しやすい
黒いビニール袋やアルミシートを使って遮光をします。
容器が透明だったり、光を透過する素材だったりすると、養液がたまっている容器の壁面や溶液中に藻が発生しやすくなります。
あまり気にしない方もいますが、できるだけきれいに保ったほうが気分よく栽培できるとおもいます。
ただ透明や透ける素材であっても遮光すれば問題ありません。
あと夏季の屋外での水耕栽培を経験して思ったのですが、夏場は特に養液の温度が上昇します。
水温が高くなると溶け込める酸素量が少なくなって、根が十分な酸素を取り込めないので酸欠になります。それが原因で根腐れをおこしやすくなります。
少しでも温度上昇をおさえたいので、夏の時期は、容器全体を遮光することをおすすめします。
遮光の方法はアルミシートなどで覆うのですが、このとき容器がシンプルな形状のほうが作業しやすいです。
水耕栽培容器の素材がプラスチックなどの場合、遮光処置が素材の劣化を遅らせることにも貢献してくれていると思います。
長く使えたほうが良いですよね。
ストレージボックスのカラーですが、いままで見かけた色は、ネイビー、茶色、そしてピンクです。
ピンクはいくらか光を透過しそうです。
ネイビーか、茶色のほうが、光を通しにくいので、そちらがおススメです。
これらの色のボックスなら遮光の処置をしなくても、そのまま使えるかもしれません。
苗を植えるための穴をあけやすい
水耕栽培容器として使うためになくてはならないもの。
それは苗を植える場所(あな)です。
ミニルーターやドリルをつかって穴あけをします。
手動のものや、熱で溶かして穴あけする方法もあります。
容器がプラスチック、アクリル、塩化ビニールなどの素材で、厚みが2ミリから3ミリくらいのものが、穴をあけやすいです。
もちろん厚みが薄い方が穴をあけやすいのですが、、今度は強度が心配になるので、2ミリから3ミリくらいが丁度良いのではと感じています。
安く、そしてカンタンに作れる
100円ショップでで手に入るものをつかって安く、そしてカンタンにつくりたい。
ちょっとしたコツさえつかめば水耕栽培でも意外とカンタンにやさいをそだてられる。
実際にやってみて、本当にそう思います。
初めて水耕栽培をやってみようと決めて、容器を自作するならできるだけ安く作れたほうがよいですよね。
100円ショップには、水耕栽培に使えそうなものが結構あるんですね。
ネット上には、先輩の水耕栽培をされている方が100均グッズを使ったアイデアを公開されていて、とても参考になります。
100円ショップの、以前から知っていたあの商品がどんぴしゃり!
フタ付きストレージボックス
今回、使用したのはレモンハウスという100円ショップで売られていたこの商品。
商品名は「フタ付きストレージボックス ネイビー」。
1番小さいこのサイズは、本体容器とフタがセットで100円+税。
これと全く同じものかわかりませんが、似た商品がダイソーやセリアでも見たことがあります。
ダイソーでは、スクエア収納ボックスという名前で売られていました。
なんて水耕栽培容器に適した商品なんだろう。
今は本当にそう思っているのですが、、
以前から知っていたこのフタ付きストレージボックス。
最初にマネして作った浅型水耕栽培容器(ブログ「水耕栽培100円グッズで始めてみました」より)や、その後自分でアレンジした水耕栽培容器に思い入れが強く、こだわりすぎていたのかもしれません。
初めて浅型水耕栽培容器作るなら、今はフタ付きストレージボックスが1番おすすめだと思います。
容器代コストが110円。やっぱり最安値でしょ。
カンタン最速! フタに穴をあけて、スポンジをセットして、できあがり。
水耕栽培について少し調べたり、すでに水耕栽培を楽しんでいる方は、この容器を見たらすぐにピンとくると思います。
”フタに穴を開けりゃ すぐに使える” と。
だって水耕栽培容器にもとめる条件をクリアしてますよね。 苗を植える穴をあけられれば、すぐに水耕栽培をはじめられます。
写真のように、色の濃いネイビーを選べば光をあまり通さないので、穴あけとスポンジをセットするだけで水耕栽培容器が完成です。
室内での使用や、屋外でも日照時間が短い場所、暑さが辛くない時期なら遮光を施さなくてもこのまま使用できそうです。
ですが、できるだけ幅広い状況にも対応できるように、遮光などの工程を含めた浅型水耕栽培容器(最新型)の作り方を説明します。
くわしい作り方
フタの穴あけ加工と容器の加工に分けて、作業を解説します。
フタの加工
まず定植用の穴の数と位置を決めます。
あなたの好みでかまいません。
私の場合はこんな感じにしてみました。
9つの穴をあけておいて、いろいろなステージの栽培に対応できる仕様です。
キリで穴をあける中心点にキリで穴をあけます。
テーパーリーマーという工具を使って穴を広げます。
ミニルーター(小型の電動ドリルみたいなもの)より安価です。
手動ですが、思っていたより楽に穴あけできました。
この時は時計回りに30回ほど軽く押しながら回して穴あけできました。
裏側がかなりささくれています。
ニッパなどで切り取ります。
そうしておくと後のやすり掛けが楽になります。
このリーマーの最大切削径が16ミリなのでそのサイズの穴にしました。
ちょっと小さい気もするかもしれませんが、タネからそだてた苗なら楽に入ります。
浅型水耕栽培容器(マイバージョン)の栽培面に使用していたダイソーのお皿スッキリラックにあいていた穴の直径は15ミリでした。
(この16ミリの穴に入れづらいくらいの大きさの苗は、浅型容器に植えるより、もっと大きな容器や深型容器のほうが適している、とも言えるかとおもいます。)
例えばこんなオクラ苗。
苗を購入して、水耕栽培しました。
このオクラの根はすでに相当生えていてとても16ミリの穴では入りそうにありませんでした。
耐水ペーパーを使って削った断面部をきれいにします。
アルミホイルで遮光します。
使う穴のところだけ指でアルミホイルを破ってスポンジをセットします。
容器の加工
黒いビニール袋を輪ゴムを使って容器の内側にセットします。
このやりかたは、私がいつも参考にさせてもらっているブログ「水耕栽培100円グッズではじめてみました」に紹介されていました。
遮光もできて、後片付けも楽ちんですよ。
より遮光の効果を高めるためです。
また栽培を終えて片付ける際にビニール袋ごと捨てられるのでラクです。
容器も洗わなくてすみますね。
つづいて外側の遮光です。
アルミ断熱シートに型取りして、切り抜いたもので遮光します。
容器の内側に遮光シートを入れるやり方もできます。アルミ断熱シートをセットしてから黒ビニール袋を取り付けます。
クリップでフタと容器を固定
フタと容器はピッタリ重なっていますが、ズレたりしないようクリップで固定した方が確実です。
クリップの種類や、固定の方法はご自由にどうぞ。
*追加情報です。
浅型容器を使い続けていますが、ネイビーや茶色のストレージボックスなら、遮光処置は必要ないと感じています。。
今年は容器の遮光はしませんでした。(栽培面にアルミホイルは貼りましたけど)水耕栽培中に藻の発生はありませんでした。
また夏場の栽培でもとくに遮光した容器との差を感じませんでした。
光を通しにくい、濃いカラーのストレージボックスを選べば、よりシンプルに水耕栽培がたのしめますね。
実際に水耕栽培するときに
定植用の穴の大きさとセットするスポンジのサイズについて
1番最初に作った浅型水耕栽培容器(ブログ「水耕栽培100円グッズではじめてみました」のマネしてつくりました)や浅型水耕栽培容器(マイバージョン)は、栽培面にダイソーでかつて売っていたお皿スッキリラックを使っていました。
お皿スッキリラックにあいていた穴は直径15ミリでした。
過去に18ミリや23ミリなど、より大きいサイズのあなをあけたこともあります。
ですが今までの経験から、この浅型水耕栽培容器のサイズに植えるやさいなら直径15ミリでだいたい対応できそうな気がしています。。
まずは15ミリくらいで作っておいて水耕栽培に挑戦してみてください。
やってみて、もっと大きいサイズにしたかったら削って広げればよいのです。
セットするスポンジは、100均のスポンジを四角に切って真ん中まで切り込みをいれてます。
スポンジの1辺のサイズは穴の直径の1.3倍に落ち着きました。
穴が直径15ミリなら四角に切ったスポンジの1辺の長さが約20ミリです。
このくらいのサイズがゆるすぎず、きつすぎず丁度良い気がします。
お好みでどうぞ。
水耕栽培を続けていくうちに、あなたがそだてる野菜に適した穴やスポンジのサイズがわかってきます。
養液は液体肥料を指定の希釈でうすめて使用
今私は、液体肥料はハイポニカとペンタガーデンを混ぜて使っています。
そもそもメーカーが違うものを混ぜて使って大丈夫かどうかもわかりません。
特におすすめはしません。。
我が家の栽培環境は日照条件がとてもよくないので、日陰でもよく育つALAというアミノ酸配合のペンタガーデンを使ってみたのです。
昨年(2019)秋に室内でドワーフトマトを栽培したときに、ペンタガーデン(500倍希釈のノーマルタイプ)を混ぜて使ってうまく育ったのがキッカケで、それ以降は使い続けています。
ハイポニカのみの栽培と比較栽培したわけではないので、、もしかしたらハイポニカだけの栽培でも同じ結果になっていたかもしれません。
水耕栽培に使えると説明のある液体肥料なら、どこのメーカーのものでも良いとおもいます。
基本は、指定の希釈倍率を守ることです。
例外があって、トマト類やイチゴなど肥料焼けしやすい(肥料濃度にデリケートな)ものは、指定の2倍くらい薄い養液からはじめたほうが無難です。
ハイポニカの場合は、指定は500倍希釈なので1000倍希釈からはじめます。
徐々に指定の濃さの養液にしていくのですが、、これまでの経験から、ドワーフトマトは指定より薄めのまま(700倍くらいまで)のほうが調子が良い気がしています。
葉物野菜は、指定通りの希釈倍率で大丈夫だとおもいます。
さいごに
これまで作成した浅型水耕栽培容器(マイバージョン)たち。
私が前に作った浅型水耕栽培容器(マイバージョン)は、野菜が大きくなって浅型容器ではせまくなった時に深型に移行できるという特徴がありました。
その機能が気に入っていて、そこにこだわりすぎていたのかもしれません。
浅型水耕栽培容器を浅型容器としてだけ使うと割り切れば、こんなにカンタンに水耕栽培用に加工できる容器があったのです。
先日、朝のテレビ番組(ズ○○タ)で水耕栽培を始めてみようみたいなコーナーをやっていました。
どこかのインスタグラマーさんが、味のりのプラ容器のフタに穴をあけて水耕栽培容器にされているのが紹介されていました。
ペットボトルを使った自作水耕栽培容器よりカンタンに作れそうです
私たちの周りにはまだまだ水耕栽培容器に変身する素材があるのかもしれません。
ぜひ 浅型水耕栽培容器(最新型)を使って、気軽に水耕栽培を始めてみてください。
栽培が浅型容器だけで済ませられる草丈が低い葉物野菜などは、絶対にこのタイプ(最新型の浅型水耕栽培容器)がおすすめです。
真夏や真冬は人間にとっても野菜にとってもつらい季節です。
その時期をずらして始めれば育てやすいですよ。
わたしも、これからサラダ水菜のタネまきをしようと思います。
あとマザーレッドとグリーン、それとロメインレタスの仮定植もしなくちゃ。
これらは紹介した浅型水耕栽培容器(最新型)でそだてるつもりです。
2021年の春夏の栽培例です。
この新しい浅型容器(最新型)で小松菜を育ててみました。
こちらは栽培面にプラカップが入る大きさの穴をあけて、プラカップごと栽培で、スイートバジルをそだててみました。虫が付きやすいので防虫ネットを張るのに支柱を取り付けてあります。
ちょっとだけ、容器の見た目がさみしいというか、地味なのがマイナス点ですかね。
それでは また。
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