自作水耕栽培容器でやさいづくり。リーフレタス・マザーグリーンとマザーレッドをそだててみました。

ウチで水耕栽培している葉物野菜といえばコスパ最強のチマサンチュなのですが、レタスの代わりにサラダにいれて食べていたらちょっと飽きてしまいました。

やっぱり焼肉をつつんで食べるのが1番合いますね。

チマサンチュは成長が早く、しかも長い間たくさん収穫できます。

少しは家計の助けにもなります。ですが、やっぱり玉レタスのシャキシャキ食感が恋しくなってきました

玉レタスのような味と食感をもちつつ、チマサンチュのように掻き採りながら収穫できる非結球レタス、リーフレタスはないのかな?


まずはタキイ育成のレタス・マザーグリーンマザーレッドをそだててみることにしました。

結果は、カタログ通りの「食感はまさに玉レタス」とはなりませんでした。(笑)

味はレタスの味でおいしかったですよ。

リーフレタス・マザーグリーンマザーレッドの特長、そして実際に栽培してみて気をつけるべき点を、栽培記録とともにおつたえします。

リーフレタス・マザーグリーンとマザーレッド

なぜリーフレタス・マザーグリーン&マザーレッドをえらんだのか?それは、タキイ種苗さんの品種カタログの中で、”玉レタスのような、”という言葉をみつけたからです。

ド直球ですね。よし!それならまずはこのマザーグリーンとマザーレッドから育ててみよう。

リーフレタス・マザーグリーンのタネ袋



このマザーグリーン(マザーレッド)の特長は。

●食味にすぐれる

玉レタスのようなパリッとした歯触りで苦みが少なく、甘みがあっておいしい。葉に厚みがあり、日もちがよい。

●葉のサイズがそろうので、料理に使いやすい

外葉と内側の葉の大きさに差が少なく、適度なサイズによくそろい、サラダをはじめ幅広い料理に使いやすい。

●葉は明るい淡緑色

葉の内部まで明るい淡緑色で、葉先には適度なフリルがあり、葉枚数も多く見栄えがよい。

●晩抽性にすぐれる

晩抽性は「マザーレッド」と同様で、耐暑性も強いので、幅広い作型で使える。

タキイ種苗(株) 品種カタログ リーフレタス マザーグリーンより引用

マザーレッドはマザーグリーンの赤葉種で葉色が違うだけだとおもいます。

タネはちかくの園芸店ではみつからなかったので、通販で購入しました。

リーフレタスなので、チマサンチュのように掻き採りながら、長く栽培してたくさん収穫できるとよいのですが。

そして味はレタスなら、、まさにわたしの理想のレタス。

この時点でそんな期待通りの結果になることを期待してたんですけど。

栽培時に注意するべき点

リーフレタス・マザーグリーンやマザーレッドを栽培するときに注意したい点がいくつかあります。

発芽温度

レタスのタネは、気温25度以上あると発芽率が極端に低下します。

今回のように夏の時期は種まきする前にタネを冷蔵庫に何日か入れておいたり、種まきをしたポッドごと冷やした状態に保って、発芽を促す必要があります。

タネ袋には発芽適温、生育適温ともに15℃~20℃との記載があります。

種蒔きしてみて1週間たっても発芽しない時にはまず温度を疑ってみてみてください。

もちろん発芽には水分と光も必要ですよ。

レタスは好光性種子です。

ペレット種子

このマザーグリーンとマザーレッドの種子はペレットになっています。

ペレット種子は形がいびつであったり、とても微細なタネをまきやすいように加工したものです。

種子のまわりを発芽に影響しない粉でコーティングして、球形に近い形に加工してあります。

ペレット種子の目的は、種子を大きく、均一のサイズにして機械播種を可能にしたり、手でまく際も非常にまきやすくするためです。

リーフレタス・マザーグリーンのペレット種子



このペレット種子、種まきする際には注意したい点があります。

それは粉状の物質でコーティングされている分、中のタネを吸水させるのにより多くの水分が必要になるということ。

またコーティングされている物質は、1度水を吸ってから乾くと固くなります。

そうするとタネが発芽できなくなります。

吸水させてから発芽するまで適度の湿度を保つよう気をつけてください。

もちろん水に浸かりすぎるとタネは呼吸できずに死んでしまいます。

根腐れの症状

レタスは一般的に細菌やカビによって病気になりやすいです。

特に高温多湿な状況でおきやすいです。

下の画像は、ペットボトル水耕栽培容器に定植してそだてていたマザーグリーン。

しおれてきたので株元をチェックしてみると、腐って黒くなっていました。

そしてボロッと根が落ちてしまいました。

リーフレタスの根腐れ


大体は土壌の中にいる細菌が侵入して発病するので、水耕栽培ではリスクはかなり低いと思います。

ただ定植する際に株や根を傷つけてしまい、そこから菌が入り込んで、発病することもあるかもしれません。

わたしが経験した事例はこのような原因だったのではと推測しています。

トウ立ち(節間が長くなったり、花芽ができたり)

レタスは葉を食するやさいというのはご存じの通り。

なのでトウ立ち(花を咲かせるために上に伸び始める生殖成長)を遅くしたり、しにくくしたりといった品種改良がされています。

美味しい葉っぱをたくさんつけるためだけに育ってくれる方が人間にとっては都合が良いですよね。

そうして育種された品種でもやはりいきもの。

気温の上昇や積算温度、日照時間が長くなることによって生殖成長のスイッチが入ります

わたしは、トウ立ちが始まったら株ごと収穫しています。

晩抽性という言葉もトウ立ちが遅い、しにくいといった意味です。

抽苔が遅いという事。

実際に育ててみました

タネまき

2020年7月6日

バーミキュライト培地に、一晩給水させたペレット種子をタネまきしました。

タネがほとんど培地に埋もれるくらい、ほんの少し見える程度に埋めました。

ペレット種子・リーフレタスのタネまき



湿度と空気と光をすべてあげられる絶妙さが求められます。

いいえ大体です。


7月10日

いい加減さがよくなかったのか発芽の気配がまったくありません。

心配になって、プラカップごとラップでくるんで冷蔵庫に入れました。

そして一晩おいておきました。

翌朝、冷蔵庫から出してLEDライトの下へ、霧吹きで水分も補給しておきました。



7月11日(種まきから5日後)


あっ!発芽している。冷蔵庫に投入した意味はあったのか疑問は残りました。


7月18日

本葉が確認できました。

発芽さえしてしまえば気温が高めなので成長が早いですね。

リーフレタス・マザーレッドの双葉が

定植しました

7月24日(タネまきから18日)

浅型水耕栽培容器(マイバージョンのアレンジ版)に定植しました。

もちろん養液はいつも通り、ハイポニカ500倍希釈とペンタガーデンプロ1000倍希釈を3対1の割合で混ぜたものを使用しています。




8月4日

ちょっと成長しました。

いつものように養液になれてきたであろう定植後10日くらいからハッキリと変化がみてとれます。




8月18日(タネまきから43日)

かなり葉っぱがおおきくなってきました。

見栄えがする姿です。

ただ葉の軸の部分はさほど太くなく、シャキシャキ食感の葉にはまだまだ程遠いかんじです。




8月下旬

連日の暑さで、外のベランダへ移行させるタイミングを失っています。

このまま室内でも栽培を続けられそうな気もするのですが。



直射日光がなくとも育つものだなあと感心してます。

マザーレッドのもつポテンシャルが高いのか、LEDライトの性能が良いのか? たぶん両方でしょうね。

LEDライトはアクロ・トライアングルを使っています。




月1日(タネまきから57日)

水耕栽培は、培養土をつかった栽培に比べて成長がゆっくりです。

その分だけ収穫が遅くなりそう。

見た目はもう掻き採ってもいいかんじになってきました。

しかし暑さのせいでアントシアニンがつくられないのか、ほとんどグリーンな感じです。

あとでマザーグリーンとくらべてみたのですが、マザーグリーンは上の写真よりさらに明るい緑色の葉っぱになりました。




こちらがマザーグリーン。

写真がわるくて色がうまくでていませんが、黄緑色なかんじです。

収獲して食べてみました

9月11日(タネまきから67日)

マザーレッドを初めて収穫しました。

下の葉から6枚づつ2株からなので12枚を掻き採り収穫しました。

実際にはハサミを使ってます。

リーフレタス・マザーレッドの葉を収穫

切り取り収獲をしながら気が付きました。

葉っぱ全体には厚みがあるというかパリッとしているのですが、玉レタスのように葉の軸部分に固さやボリュームがありません。

玉レタスのようなシャキシャキ食感はあきらめました。

サラダにして味を確かめました。

LEDライトの影響なのか、味はレタスですが、よく食べるレタスより苦みが強い気がします。

葉の色に変化がでてきました

何かスイッチがはいったのか、それともいくらか気候が涼しくなってきたからか葉の色に変化が。

赤紫色に色がつきはじめています。

これでやっとマザーレッドの名にふさわしくなりました。

トウ立ち?

2度ほど収穫したあたりから葉と葉の間、いわゆる節間が長くなってきました。

生長点に花芽はまだみえませんが、どうやら生殖成長にスイッチが入ってしまったようです。

1番に考えられる原因は、栽培場所をベランダに移したことです。

おてんとうさまの光に変わったからか、温度に変化があったからだと思います。



10月6日(タネまきから92日)のマザーレッド

花芽を出そうと上に伸びだすと、そちらに栄養がとられるのでしょう。

葉っぱはあまり大きくそだたなくなります。

味も食感も落ちてくるのです。

わたしが味音痴なのか、このときはまだ味が落ちたとはわかりませんでした。

マザーレッドの栽培を終わらせました

0月27日(タネまきから113日)

というわけで、マザーレッドは、葉っぱをすべて収獲して撤収しました。

一緒にクレソンやチマサンチュも収穫しました。

マザーグリーンはレッドより1週間ほど遅れてタネまきしたのですが、まだトウ立ちの気配はありません。

しばらく掻き採り収穫しながら見守りたいとおもいます。



1月10日(タネまきから119日)

マザーグリーン。まだ栽培をつづけられそう。

さいごに

マザーグリーンとマザーレッドをそだてた感想

玉レタスのようなシャキシャキ食感をもつリーフレタスを求めて。

まずはタキイ育成のリーフレタス・マザーグリーンとレッドをそだててみました。



収獲して食べてみたその感想は、葉に厚みがありパリッとしているものの、玉レタスの厚みがあってみずみずしい、あのシャキシャキな食感とは違うとおもいました。

味は少し苦みが強いとおもいましたが、まさにレタスの味でした。



栽培に関しては、根腐れ(株元が黒くなって根が分離してしまった)しないように管理することが次回の課題です。


この栽培まで定植のときに、株元から根にかけて不織布を添わせていたのですが、これが多湿状態にしている可能性が高いとおもわれるので、次の栽培から不織布を使わず水耕栽培することにきめました。


それ以外は、マザーグリーンとマザーレッドともに水耕栽培でもとても育てやすいとおもいます。

次はロメインレタスを試してみたい

玉レタスや半結球レタス、そしてロメインレタスなどの立ちレタスのカットされた画像を見て気が付いたのですが、シャキシャキ食感を生む葉の軸に近い部分は、そもそも結球というか葉っぱがまとまってそだつ過程で形成されるんじゃないかと。

つまり掻き採りできるリーフレタスのようなタイプは、葉の軸部分が分厚くならない。



シャキシャキ食感を求めるなら葉がまとまって成長するタイプを株ごと収穫できるぐらい大きくそだてる以外にない気がしてきました。

そんな時、ロメインレタスのタネをもらいました。

なんてツイているんだろう。



季節はですが、野菜の水耕栽培は飽きることがまったくありません。

お粗末!

それでは また。

コメント